[ somunia LVUP ] somunia×ワニのヤカ過去楽曲を語る会 (後編)

皆さんこんにちは。somuniaです。

level up projectで過去作品が再生産されるのに合わせ、「波よせて」「twinkle night」等で共演したワニのヤカさんと過去リリースされたsomunia楽曲についてテキストで対談しました。

今回は後編です。

※前編はこちら
https://fict.app/somunia-lvup-talk01

YACA IN DA HOUSE
(ワニのヤカ、C. Yaca)
https://linktr.ee/yacaindahouse
サンプリングを用いて、HIPHOPトラック、エレクトロニカ等電子音楽を制作するvtuber文脈に少しだけ存在するワニ。nyankobrq & yacaというユニットを組みWorld Wide Words 2019に出演。自称somuniaの兄 (非公認)

1st single　 summer leap

ワニのヤカ

このEPからそむさまの歌詞づくりの方法が明らかに変わった気がしますね。トラックと歌という関係から、より並列というか、よりトラックとsomuniaの密着度が増した。

somunia

夏の曲を作りたいという気持ちと、学校の夢をよくみていたというのもあって、やりたい楽曲の方向性は元々決まっていました。こちらのsingleはDL限定販売だったのですが、今回初めてCD化します。

ワニのヤカ

ジャケがとても可愛いので過去CDと一緒に並べたい…

somunia

ワタシはワニとサメとペンギンのぬいぐるみを並べたいです。

summer leap

somunia

まずはこちら。作曲はgaburyuさん、作詞はワタシです。

ワニのヤカ

somunia楽曲では類を見ないアプローチですよね、この歌詞。かなりの作り込みを感じます。ラップというわけじゃないんだけど、セリフ的要素の強い曲。喋りとメロディを行き来する歌い方って簡単に修得できるもんじゃないんですよ。ディレクションを間違えるとかっこ悪くなる。KMNZ ”IFIF”とかすごい大変だった。

somunia

短い言葉の中で、どうやって情景をつくるのかを考えるために、夏にまつわる短歌とか俳句をたくさん読んで、とにかく情報のインプットをしました。あと、女性のラップの曲をたくさん聞きました。

ワニのヤカ

gaburyuくんはアタックの遅いふわっと入ってくる音使いをする印象です。キックが鳴っている時だけ周りの音を小さくしてキックを際立たせるという”ダッキング”って技法があるのですが、それを歌のメロディでやるのがまじすごい。「何『かーい』めだ『ろーう』か」「残『ぞーう』は八『がーつ』に」っていう上昇と下降が繰り返されるんですけど、メロディってグルーヴ感出してて感心しちゃった…顔サーフィン。

somunia

顔サーフィンって何ですか？

※顔サーフィンとは…

gaburyuさんが販売しているLINEスタンプに出てくる単語。
意味についてはよくわかりません。(画像参照)
https://store.line.me/stickershop/product/8489061/ja

放課後のダンスフロア

somunia

作曲はToccoyakiさん、作詞はワタシです。

ワニのヤカ

”summer leap”と比べて文量がすごく少ない。その対比がめちゃんこ好き。”summer leap”は刹那的なものに対して、これはもっと青春、モラトリアムとか大きなものに対しての終わらないでと思う気持ち。青春も一種の夢。

somunia

学校の夢を見終わった時に、どこか悲しくて寂しい気持ちになって。ワタシ自身は体験したことないですが、学校を卒業するって何か特別な感情があるのかなと。そういえばヤカさんは青春してますか？

ワニのヤカ

今、青春し損ねた大人たちと悔いを晴らすために青春しなおしてるとこだよ。Toccoyakiさんの作るテクノポップのような曲調と艶っぽいメロディは、そむさまの新しい歌い方を引き出すよね。Jack the broadcasting room!

2nd single　 Connected World

somunia

自身としては３回目のリリース、作曲陣も過去に一緒に作ったことのある方のみで構成されていて、自分としてもいろんなことが分かってきた頃でした。思い入れのある作品です。

ワニのヤカ

3曲とinst入りですね。このCD、僕も持ってます。ジャケがDJ Shadowみたいなショップで好き。somuniaというよりはこのCDを見つけた女の子ってイメージ。そむさまはジャケットアートだといろんなお召し物をきますが、何かきてみたい服とかありますか？

somunia

そうですね…着てみたいお洋服はたくさんありますが、最近だとKMNZのお二人みたいな服、着てみたいです。あとは白いワンピース。ヤカさんは普段どんな服装ですか？

ワニのヤカ

「Room No.001」みたいなパーカーがほとんどですね。最近はジャージにはまっている。

Connected World

somunia

作曲はgaburyuさん、作詞はワタシです。過去にステム配布していたこともあって、remix音源が豊富にあります。

ワニのヤカ

イベントで盛り上がり必至の意外と初めての電脳世界な歌。これは君自身の歌なのかな？

somunia

ワタシ自身ではないです。 ”バーチャル” の世界でご活躍されている方々と、それをみている皆さんのことをテーマにしました。あなたが、 ”バーチャル” の世界のあの子のことを心の支えにしている時、きっと ”バーチャル” の世界のあの子も、あなたのことを心の支えにしていると思うのです。あなたが見てくれているおかげで、存在することができているから。お互いがお互いに、とても大切な存在だと思っているという事を、こちら側に住んでいる者として伝えたかったです。

ワニのヤカ

観測されなければ、実在しないと同じ。バーチャルな人たちは非実在性がリアルな人より強いですからね。ヤカ的爆踊りポイントは「もしも君と〜」の部分です。メロディが急に違う動き方してテクい。それが”もしも”を表現してる気がしますね。A→Bridge→Hookってシンプルな構成なんだけど、最後のパートで曲を補強してますね。曲的にも歌詞の内容的にも。

アマイシズク

somunia

こちらはToccoyakiさん作曲、作詞はワタシです。実はこちらの楽曲、放課後のダンスフロアのトラックとほぼ同時期にもらっていました。なので、実は世界が地続きというか、ちょっと夏っぽい感じなんです。

ワニのヤカ

ToccoyakiさんのAMシンセなサウンドが相変わらず気持ちいい、しっとりと踊れるトラック。今回は登場人物の性別がはっきりとしてますね。「雨」と「アイスクリーム」が同時に登場するなんて考えたこともなかった。

somunia

「アイス」と「雨(帰り際の通り雨) 」をまず思い浮かべて、次に「溶けてくアイスは初恋みたいだと笑った。僕なら残さず全部食べてあげるのに。」というフレーズが浮かんで、それをサビに置き、その他を書いていきました。

ワニのヤカ

「夏」といえば「暑い」「かき氷」とかそういうお決まりの単語が出るんですよ、普通。そむさまは連想や抽出方法がそもそも人と違くて、思いつきもしないワードを取り入れるからいつも驚かされます。人物や舞台、ストーリーという軸があって、そこから要素や美味しいところを切り出すようなケバブ式ですね。削ぎ落とす彫刻式じゃなくて。

Rewind you

somunia

最後の楽曲ですね。Capchiiさん作曲、作詞はワタシです。これも”各駅停車”同様詞先で、あとから楽曲を作っていただきました。他とは少し雰囲気の違う一曲です。

ワニのヤカ

この曲はびっくりしますね。「こういうのも歌うんだ！」って。この曲を出したCapchiiさんすごい。ｿﾑﾆｱ　ﾜｲﾄﾞ　ｶﾉｳｾｲ　ﾜｲﾄﾞ。いろんな「回るモノ」が出てきますね。歌詞には直接登場しないけど、楽曲で聞こえてくる時計の針音がそれらを総称してる気がして、ソムカプチーのコンビネーションを感じます。

somunia

作詞を先にしてから、その歌詞に合わせて曲を作ってもらうキャッチボールみたいなことをしているので、自然と曲の世界感が一致してきますね。

ワニのヤカ

どことなくジャケットにも繋がってくる歌詞ですよね。”Connected World”から”アマイシズク”、”Rewind you”と繋がるEP全体の落とし方がとてもスムーズでいい。この曲はイントロもしっかりしているので何かの作品のED曲みたいな役割があってEPをしっかり完結させてる。地に足がつく感じ。

somunia

ヤカさんありがとうございました。一曲ごとにいろんな話ができて面白かったです。ヤカさんはConnected WorldのCDお持ちなんですね。買ったあとのCDってどうしてますか？

ワニのヤカ

somuniaCDのジャケットはイラストが素敵なので、Connected Worldは作業場に飾ってます。最高。たまにCDを引っ張ってきてペラペラ歌詞カードを見ながら聴きます。オススメの聴き方は、歌詞カードを見ないで繰り返し聴いた後に歌詞カードを見ると想像と全然違う事が書いてあったりして面白いですよ。これこそ音楽って感じ。